ここ、魔除け天神だけの、魔除けの御守りを作りました。
夜も昼も、いつも、心の魔が祓われますように、との願いを込めて、
『夜守日守』 “夜の守り日の守り”(よのまもり ひのまもり)と名付けました。
この御守りには、魔から強力に守られるよう、たくさんの「魔除け」が入っています。
もちろん、あなたの「心」こそが、いつもあなたを守ってくれる最強の魔除けなのですが、
その心に、拠り所となるもの、心の支えとなるものがあれば、
さらに強くなれると思うのです。
この御守りに込めた、たくさんの「魔除け」を、以下1つ1つ説明します。
当神社(若狭野天満神社、魔除け天神)の実際の景色をもとにデザインしています。
<表面>日の守り 正面境内から見上げた昼空には、まぶしく輝く太陽の光が
<裏面>夜の守り 西側山林から見上げた夜空には、きらめき輝く星の光が
なお、魔除け天神の社殿や鳥居自体が魔除けであり、また、太陽の光や星の光といった「光」も魔除けです。
御守りの表と裏には、梅の花びらをあしらった五つの円(中央に一つの円)が重なって成る図形が描かれています。
これは、梅亀(うかめ)又は梅亀紋(うかめもん)という、当神社の魔除け天神としての社紋(神社紋)です。
梅亀紋をじーっとよく見てみてください。
すると、その中央部に、
手足を広げた亀が、それぞれ頭を五つの方位に向けて重なり合っている図が見えてきませんか?
固く頑丈な甲羅で守られた亀が、あなたの周囲全方位を守る方位陣(梅亀五方位陣:うかめごほういじん)
となって、強い結界を張り、魔の侵入を跳ね除け防いでくれます。
ところで、五方位を向いた亀の頭をつなぐと五角形になりますが、この形は、物理的に外敵からの攻撃に最も強い形
であり、霊的においても、例えば五角形からなる五芒星など、強力に魔を祓う形と言われています。
そもそも、”五”という数字は、神社の神聖色である五色(五色布)や陰陽五行の五行(木・火・土・金・水)といった、
この世界の森羅万象・天地万物を表す”五”でもあり、五方位陣は、単に五つの方位に対してだけ守られるというのでは
なく、起こる出来事・現象の全てに潜むあらゆる魔や悪事から守られるという意味が込められています。
なお、梅亀の「梅」は、天満神社のシンボルであり(天神様、菅原道真公が愛でた梅に由来)、
また、梅亀の「亀」は、天神様の神聖な乗り物(”カミ”の乗り物だから”カメ”という)であるとともに、
“鶴は千年・亀は万年”といわれる長寿繁栄の縁起物でもあります。
御守りの中には、神璽(しんじ)といわれる、神様(神霊)が宿る場所、
いわゆる御守りの本体(ご神体)が入っています。
その神璽には、当神社の神職が手彫りして作った石印「魔除天神」の朱印が押してあります。
この朱印の“朱色”も魔を除ける色とされています。
かんらん石(ペリドット)=日の守りとしての天然石
「かんらん石」(ペリドット)は、古代から太陽を象徴する石(太陽から飛来した神の石)として崇拝されてきました。
そして、内に太陽の光が宿るとされ、昼だけでなく夜にも強い輝きを放つ石(実際に光の屈折率がかなり高く、
複屈折の性質がある石)であることから、万物を照らす太陽のような明るさとその強い力で、いかなるときも
明るい希望や勇気をもたらし、内面から美しく輝かせてくれるとともに、闇の中にも、すなわち、
不安や怖れや悲しみといった心の暗闇(心の魔)にも、希望の光を届け、あなたを導いてくれます。
また、かんらん石は、深い知恵を与えてくれる石とされており、
その知恵は、魔を打ち祓う大きな力となってくれます。
なお、かんらん(橄欖)は、モクセイ科の常緑高木で見た目や用法がオリーブとよく似た木。ペリドット(宝石名)の
鉱物名はオリビン(olivine)、つまりオリーブの実のような色をした宝石ということで、かんらん石。
黒水晶(モリオン)=夜の守りとしての天然石
黒っぽい色をした水晶の中でも、強い光を照射しても光が透過しない不透明な水晶(いわゆる真っ黒な水晶)
のことを「黒水晶(くろすいしょう)」(モリオン)といいます。
黒水晶は、数ある天然石(パワーストーン)の中で、特に、邪気祓いや魔除けの力が強いといわれる石の中の、
さらにその中で一番強い力をもつ石といわれています。
もともと、水晶自体に強い浄化力があるとされているうえに、黒色というのは(科学的にも)光を最も吸収
しやすい色であることから、黒水晶には、あらゆるタイプのエネルギー(霊的なマイナスエネルギー、魔)
を取り込み、丸ごと包み込んで浄化してしまう(邪気を祓い、邪気を鎮め、場や空間を浄化する)強い魔除け
の力があるといわれています。
日本の”結び”文化において、古来から様々なお祝い事や(弔事も)神事などに用いられる結びである
「あわじ結び」(淡路結び、鮑:あわび結び)というものがあります。
この「あわじ結び」には、“天”と”地”を結い和し、すなわち、
この世界の陰(夜)と陽(日)を統合(和合)し、世界を変える力を生み出す霊力があるとされています。
『夜守日守』の御守りでは、水引にかんらん石と黒水晶を通し、「あわじ結び」の形となるように結んでいます。
(写真の矢印の箇所が「あわじ結び」の形になっています)
(かんらん石と黒水晶は、この「あわじ結び」の中央の位置 ― あわじ結びによってできる3つの輪の
真ん中の輪において、陰と陽が相対しているかのように並んで配置されています)
そもそも”結び”という言葉は、神道の重要な概念である“産霊(むすひ)”を語源とし、この産霊は、
天地・万物を産み成長させる霊妙な働きのことであり、陰陽相対するものが和合(結合)すれば、
必ずそこに一つの新しき活動・霊力が生起することを表しています。
これらに関し、古代日本の言霊観・世界観が記された古文書『ホツマツタエ』や『フトマニ』では、
「ア」は”天”(=父、男性性、陽)を表し、「ワ」は”地”(=母、女性性、陰)を表すとされており、
その書には、『伊弉諾尊(イザナギノミコト)と伊弉冉尊(イザナミノミコト)の二神は国を生んだのだが、
民の言葉が曇り乱れてしまっていたため、これを直そうと「アワの歌」を作って人々に教えたところ、
この「アワの歌」の言霊の作用によって民の音声(ねこえ)の道が開け、言葉が整った』、という記述があります。
この「アワの歌」は四十八音で構成されており、間に四十六音が連なり「ア」から始まり「ワ」で終わる歌、
すなわち天地を結ぶ歌となっています。
また、神道の占い(卜占:ぼくせん)にも使われ、天地宇宙を表すフトマニ(太占)図の中心部には、「ア・ウ・ワ」
と記されており、ア(天)とワ(地)の間に、ウ(生む、動かす)が在るとの意味が示されています。
ちなみに、伊弉諾尊と伊弉冉尊の国生み神話において、最初のころ生まれた島が淡路島(淤能碁呂島:おのごろじま)
であり、また、天(ア)と地(ワ)の原初(ウビ)という意味の「アワウビ」が鮑(あわび)の発音に似ているのは、
「あわじ結び」のことを「淡路結び」とか「鮑結び」と表現することと深い関連があるのかもしれませんね。
古代日本では、水引は、麻から作られた麻紐、あるいは麻紐を縒って作った注連縄(しめ縄)であり、
神様に供えする供物(神饌:しんせん)を括ったり束ねる紐として使われるなど、
祭祀・神事における神聖なる紐として用いられていました。
また、麻紐である水引は、麻自体が魔や穢れを祓う聖なる植物であることから、
進物の品(贈り物)を浄めるための飾り紐としても用いられるようになりました。
この水引は、後に、和紙を縒って紙縒り(こより)状にして作ったものに代わり、
現在では、色や柄においても種々のものがあります。
このように、神聖なる紐としての由来をもつ水引ですが、
『夜守日守』の御守りでは、この水引の紐を用いるとともに、さらにその水引の色を、
太古から神聖・清浄(浄化)の意味を持つ「白色」にしています。
この白色は、神職が着用する白衣(はくえ)や浄衣(じょうえ)の色でもあります。
なお、水引の語源については、麻の茎などを水に浸けておいて皮を引き剥ぐことを水引ということから、
又は、紙縒り状にしたものに水糊を引いて糊固めして作るので、もしくは、着色した水に麻紐を浸して
引きながら染めるという作業工程があるので水引という、など諸説あります。
麻は、太古の昔から、清め祓いと生命力の象徴として、またそれ自体に超自然的な力、霊威、霊力がある
神聖なる植物として、大事に扱われてきました。
その麻から作られた麻苧(あさお)や麻紐(あさひも)は、邪気を祓い魔を除ける不思議な力が宿るとされ、
太古から今日まで、神社(神道)の祭祀・神事に広く用いられてきました。
特に、修祓(しゅばつ)という儀式では、大麻(おおぬさ)(大幣とも書く)という、”祓具”を使用しますが、
大麻には、読んで字のごとく麻が用いられており、すなわち、榊の木の枝または白木の棒の先に、麻苧・麻紐や
紙垂(しで)が取り付けられており、これを左右に振ることによって罪・穢れを祓います。
ところで、麻(大麻草)の茎の皮を剥がして研いだ繊維の部分を精麻(せいま)といいますが、
この精麻の繊維に日の光があたると黄金色に輝くなど、麻は光輝くものでもあり、魔はこれを嫌うことからも、
麻は、邪悪なものを寄せ付けない強力な魔除けとして用いられます。
『夜守日守』の御守りでは、魔除け天神の祭祀・神事で通常に使用している麻紐を、写真のように、
水引に結んで付けています。
十字形(十文字、×印)は、最も古くから存在する人類のいわば1つのシンボルであり、
世界中の国や地域で使用されている魔除けや邪気祓いの象徴とされる形です。
日本においても、古来より、十字形には魔除けの力があると考えられてきました。
例えば、邪気を祓うために、片手又は両手の指を交差させて十字形を作ったり、また、生まれてきたばかりの赤ちゃんや初宮詣りするときの赤ちゃんの額に、或いは子どもが家を出るときにその額に、魔除けとして、墨(朱)で十文字や×印を書く風習のある地域もありました。
沖縄では、十字形のものを「アザカ」といい、その形に魔除けの呪力があると考えられており、家の門や四隅に、ススキの葉を束ねてその葉先を折り曲げ、そこに桑の葉(桑の木)を添え結んで十字形にした「ゲーン」というものを掲げ、魔除けの呪物として用いる風習があります。
アイヌでは、十字形をした文様を「ウタサ文」といい、また模様を組み合わせたときにできる十字のような星形(菱形の各角が棘のように伸びた形)の文様を「シク文」といい、いずれも魔除けの形として考えられています。
ところで、古神道では、十字形は霊交直形、×印は霊交斜形と言われ、
この世(現世)とあの世(常世)の2つの世界の交わりを意味しています。
世界においても、十字形は、水平線を世界、縦線を神性とした統一概念の象徴であると考えられており、例えばケルトでも、十字の横線は地上世界への導線、縦線は霊性的世界への導線とされており、十字形が魔除けであるというその霊的な根底には、何か共通したものがあるように思えます。
『夜守日守』の御守りでは、写真に示すように、
水引と麻紐を、結び目の箇所が十字形となるよう、水引に対して麻紐を直交させるようにして結んでいます。
すなわち、これにより、白の水引の魔除けの力と、麻紐の魔除けの力とが互いに増幅し合い、
より強力な魔除けの十字形となるようにしています。
伝統的に日本の御守りで用いられる紐の結び方は、「叶(かのう)結び」と言います。
(正確には「二重叶結び」と言います)
どうして叶(かのう)結びと言うのかといいますと、『叶』という字を見てください、
“口”の字と”十”の字が合わさってできていますね。
そうなんです、叶結びは、その結び目にこの”口”の字と”十”の字ができるんです。
結び目を表側から見ると”口”の字の形が表れており、裏側から見ると”十”の字の形が表れています。
写真は、『夜守日守』の御守りにおける叶結びの結び目(表側)ですが、矢印の箇所を見てください、
“口”の字の形があります。 この裏側には(写真では見れませんが)、”十”の字の形があります。
この結びには、 御守りをもつその人の、願いが”叶”いますように、との想いが込められています。
このように、相手を思い遣る優しい気持ち・心が込められた、縁起の良い結びというのは、それだけでも、
邪なるものを寄せ付けない魔除けの力があります。
実は、この『夜守日守』という御守りの名前は、若狭野天満神社の祭祀で普段から使っている祝詞(のりと)
の文章の中からとったものです。
(祝詞は各祈願ごとに作られており文章内容は1つ1つ違うのですが、多くの祝詞に、”夜守日守”という
言葉が出てきます)
用語の意味としては、「夜守日守:一日中欠けることとのない守り、夜昼の守護」とあります。
日本は言霊の力によって幸せがもたらされる国「言霊の幸(さき)わう国」(言霊の扶(たす)くる国)とされ、
私たちは、言葉を大切にしてきました。
言霊は、人智を越えた世界(幽界・常世)に通ずる、新羅万象を生み出す根源的な働きをなすものであり、
清濁75音の声音には、1つ1つ霊(魂)が宿っているとされています。
神社では、祭祀・神事において神職が祝詞を奏上しますが、その祝詞は、言葉の意味の力だけでなく、清濁75音の
声音の組み合わせがもたらす、強い呪力がある言霊の叡智として、太古の昔から大事に受け継がれてきました。
・・実際に祝詞を奏じているとき、自分の声でありながら、自分の声でない感じがします。
言霊自身が、私という媒介を通して、その言葉を発せさせ、世界に拡がり染み渡っていくかのような、
そんな、不思議な感覚になります。
祝詞の「夜守日守」の箇所には、こう書かれています。
「夜の守り日の守りに守り幸へ給へ」
(よのまもり ひのまもりに まもりさきわえたまえ)
御守りをいつも所持していることで十分だと思いますが、
でも、ときに怖れや不安や怒りや悲しみの気持ちが大きくなることがあるかもしれません。
そんなときには、御守りを手に、これを呪文として唱えてみてください。
(言葉の意味と、言霊の響きとを、心と体で直接感じてみてください)
きっと、あなたの心の魔を祓い、魔から守ってくれます。
御守りの表面(日の守り)及び裏面(夜の守り)における、写真の矢印で示す紐の結び目の下(近く)には、
それぞれ、あるものが隠されています。
その結び目の箇所を少し持ち上げめくるなどして、見つけてくださいね。
◆表面の方は、”雲”で描かれたあるものです。それは、この御守りが大切にしているものです。
あと、どうして雲かといいますと、”雲”自体が、空に浮かんだ雲は良い兆し(吉兆)をもたらす縁起の良いもの
とされており、ひいては、魔除けとなるものだからです。
◆裏面の方は、当神社で実際に撮影したあるものです。
これも、古来より、幸運を呼び寄せ、強力な魔除けとなるものです。
人って、私もそうですが、悩み(怒りや悲しみ)の中に浸かっているとき、周りが見えていません。
そんなとき、ふっと我に返らせてくれるのが、
ちょっとした驚きや、笑いや笑みがこぼれるような、遊び心やユーモアです。
それは、いま自分に見えている世界こそが全てで解決策なんて無いと思い込んでいる偏狭な見方、
感謝を忘れてしまっている状態から、新たな可能性や希望、そして奇跡の世界へとつながる気づき
をもたらしてくれる、とても大事なものです。 ・・・これも、立派な魔除けですよね。
なので、どんなときも、遊び心やユーモアを忘れずにいたいものです。
<『夜守日守』の授与 (以下のような箱に入れて授与しています)>
初穂料 2,000円
心苦しいのですが、天然石(ペリドット・黒水晶)の価格変動につき初穂料を改定致しました。本物の天然石を使用しておりますことご勘案いただき、何卒ご了承くださいませ。
※ おみくじ付き
箱の中には、
『夜守日守』と「魔除けの説明書き」と
「おみくじ」が一枚入っています。
♦おみくじに書かれていることは♦
♦魔を除ける為のあなたの行動の♦
♦一つの指針となることでしょう♦
<お問い合せ>
若狭野天満神社(魔除け天神、あじさい神社)
〒678-0082 兵庫県相生市若狭野町野々1190
TEL 0791-28-0041 FAX 0791-28-0047
『夜守日守』御守りへの想い
ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。 ・・手短にと思いながら、
長い説明になってしまいました。(いつも私の文章は長いですよね、ごめんなさい)
でも実は・・
“たくさんの魔除け”についての説明の前に、『夜守日守』の御守り制作に込めた想い
を書いたのですが、これも長くなってしまい、別ページに移動させた次第です。
また、時間があるときで結構ですので、読んでいただけたらと思います。